地理的自然

滝野の地形・地質滝野の地形・地質

今からおよそ4万年前、支笏湖火山が爆発し、火山灰や軽石などの噴出物が地上をおおいました。そして、 この火山活動も終わりに近づいたころ、火口から軽石が水蒸気やガスと混じって吹き出し、山すそや谷を埋めながら流れて いきました。これを軽石流といいます。

滝野の地形は、この時の軽石流がたい積してできたもので、その後雨などで浸食を繰り返し、現在のような起伏の 多い丘陵地形がつくられたのです。軽石流は、その冷却過程で溶結凝灰岩(札幌軟石などでご存知の方も多いと思います) という密な岩盤となりました。

現在、石山から滝野にかけて見られる岩盤の露頭はこの溶結凝灰岩です。またアシリベツの滝、鱒見の滝の基盤も この溶岩でつくられています。

滝野の気候滝野の気候

滝野は、札幌市内と比べ全般的に気候は冷涼です。平均気温で夏は2度前後、冬は3~4度の温度差が見られます。 特に、冬の冷え込みは市内より相当きびしく、最低でマイナス20度以上になることがあります。こんな寒い日の朝、 滝野ではよくダイヤモンドダスト現象がみられます。大気中にできる細かな氷の結晶が、太陽光線などを受けて キラキラ輝くものです。

アシリベツの滝のでき方

図は、主に「北海道5万年史」という本を参考に、滝野の地形の生い立ちを紹介したものですが、この本には、 アシリベツの滝のでき方も次のように説明されています。とても興味深いので、あわせて紹介しましょう。
(出典:「北海道5万年史」)

A 軽石流たい積物が谷を埋め、厚くたまります。まん中は熱と圧力で強く溶結します。
B 溶結の弱い部分が河川により浸食され、溶結の強い部分が切り立って滝ができます。

滝野の生き物

園内にはいろいろな生き物が生息しています。特に2010年にOPENした「滝野の森ゾーン”自然博物園”」では、様々な生き物たちを身近に感じながら散策を楽しむことができます。滝野公園周辺は自然が豊かな場所なので園外にはヒグマも生息していますが、現在公園全体をフェンスで 囲い、定期的に巡回を行っていますので、安心して自然とのふれあいを楽しむことができます。

★ほ乳類

園内にはキタキツネやエゾリス、シマリス、エゾユキウサギ、エゾタヌキ、テン、エゾモモンガなどの 小動物が生息していますが、冬になって白い雪が積もると、様々な足跡が雪の上に残されています。これらをたどって冬の自然と触れ あうのも面白いものです。

★鳥 類

2015年現在確認されている野鳥の数は80種以上!中には天然記念物のクマゲラやフクロウなども見つかっています。年中見ることもできる鳥もいれば渡りの最中にだけ見かける鳥もいます。滝野の森ゾーンでは四季を通じて様々な鳥たちを見ることができます。渓流ゾーンの水辺では、カワガラスやハクセキレイ、キセキレイなどを見かけることがあり、運がよければヤマセミやカワセミを見ることもできるでしょう。 またあちこちにキツツキが突いた跡もあり、冬になると枝の先に鳥が使っていた巣を見つけることもあります。山の家やオートキャンプ場に泊まると、 夜になくツツドリやヨタカなどの不気味な鳴き声を聞けるかもしれません。

★魚類

厚別川やその支流には、ヤマメやアマゴ、ニジマス、フクドジョウ、ハナカジカなどの魚が生息 しています。野牛沢川にはドジョウも生息しています。釣ったり網で捕獲したりしないで、そっとしてあげてくださいね。

★両性・は虫類

エゾアカガエルやアマガエルなどの両生類はよく見かけることができますが、最近では 道外から持ち込まれたツチガエルなども増えてきているようです。春の雪解け直後にはエゾサンショウウオが産卵の為、森から水辺に降りてきます。 アオダイショウやシマヘビなどのは虫類も、時々出くわすことがあるかもしれませんが、毒は持っていないので安心です。

★昆虫類

5月下旬から森に響き渡るエゾハルゼミの大合唱が始まります。エゾシロチョウやオオミズアオ などのチョウやガも飛び始めます。夏になるとミヤマカラスアゲハやミドリヒョウモンなどの大型のチョウが盛んに花の蜜を集めて飛び回り ます。滝野の森にある田んぼの周りではオオルリボシヤンマやオニヤンマがたくさん飛びます。また、ハルニレやミズナラなどの 樹液を求めて、様々なクワガタ類やカブトムシなども集まってくるのも夏の盛りの時期です。秋になると キリギリスやトノサマバッタが草の間から飛びだし、虫の声も賑やかになってきます。

滝野の野鳥

滝野公園周辺は樹種も多く豊かな自然環境となっています。様々な種類の鳥を見ることができます。比較的見つけやすいのはアカゲラやコゲラなどのキツツキ類。シジュウカラ・ゴジュウカラなどのカラ類などです。他にも鳴き声や色が特徴的なミヤマカケスや鳴き声がきれいなオオルリやキビタキ。とても運が良ければフクロウに出会えることもあります。

滝野の植物(自生種)

滝野は植物も豊富です。園内にある滝野の森ゾーンではは2015年現在、約400種以上の自生の草花が確認されています。 滝野の森ゾーンで各月ごとに見られる花には次のようなものがあります。

4月:フクジュソウ、エゾエンゴサク、ミズバショウ、エンレイソウ、ヒメイチゲ
5月:シラネアオイ、ヒトリシズカ、ミヤマエンレイソウ、タチツボスミレ、ズダヤクシュ、
ネコノメソウ、コンロンソウ、フデリンドウ、ホウチャクソウ、ユキザサ、
ルイヨウボタン、オオバナノエンレイソウ
6月:ヤマシャクヤク、マイヅルソウ、ノビネチドリ、サイハイラン、ツクバネソウ
オオアマドコロ、ササバギンラン、マムシグサ、ジガバチソウ、クモキリソウ、
ベニバナイチヤクソウ、コイチヤクソウ、ウメガサソウ、チゴユリ
7月:サイハイラン、オオウバユリ、シャクジョウソウ、エゾクガイソウ、オニシモツケ、
トモエソウ、エゾタツナミソウ
8月:ミズアオイ、キツリフネ、ツリフネソウ、ネジバナ、ルイヨウショウマ
エゾトリカブト、アキノキリンソウ
9月:エゾトリカブト、ミヤマウズラ、ヤマシャクヤク(実)、
マムシグサ(実)、ツクバネソウ(実)、きのこ
10月:ホオノキ(実・葉)、ヤマブドウ、紅葉

人文的自然

滝野の開発史

 滝野の開発は、明治12年に官営製材所(厚別山水車器械所と呼ばれました)が設置されたのに始まります。 これにより、滝野から札幌の開発に必要な木材がどんどん切り出されました。豊平館の建築材にも滝野の木が使われたと言われます。

 この官営製材所はすぐ廃止になりましたが、その後民間人の手で製材所再開発、木炭生産、農業開発など滝野の開拓は続けられました。 しかしきびしい気候条件のため、特に農業開発は困難を極めたようです。生活苦で離農した入植者もたくさんいたと言われます。
昭和30年代には、米軍演習地跡(現在の公園区域内)を利用してパイロットファームがつくられ、養豚、果樹などを主体とする農業が 行われましたが、これもあまり長続きはしませんでした。

 このように、滝野の自然には様々な形で人の手が加えられてきました。そのため、現在の滝野には、あまり大きな木や森林が見られない のはそのためです。

 一方、昭和46年に滝野小学校が閉校し、校舎は札幌市教育委員会の手で「滝野自然学園」として再利用されることとなりました。 その後、青少年キャンプ場、ドンガバ村など各種の社会教育施設もつくられ、本地域はレクリエーションエリアとして充実してきました。 そして、こうした蓄積が一つの要因ともなり、昭和54年から国営公園の建設が始まり、現在の滝野すずらん丘陵公園が生まれました。

滝野の春

 4月の中旬、まだ残雪のある林の中で、フクジュソウが黄色い花を咲かせます。滝野で一番早く咲く花です。 それより少し遅れて、 ミズバショウ、エゾエンゴサクなどが公園のあちこちで見られるようになり、エゾアカガエル、 エゾサンショウウオも産卵を始めます。 滝野の春の到来です。半年間雪に埋もれ、じっと春を待っていた動植物が 活動を開始し始めました。
5月になると、林の中ではキタコブシ、エゾヤマザクラの花が咲き始めます。特に、滝野ではキタコブシが多く、 その白い花が霞のように淡く野山にかかる様子はとても優雅なものです。 5月の子供の日には、シラカバの小さな若葉も 見られるでしょう。この頃より公園は徐々に緑に変わっていきます。

滝野の夏

 6月になるとスズランの花が咲き始めます。この頃より、日差しは次第に強くなり、空気はもう初夏の訪れを感じさせてくれます。
 7月上旬、イヌエンジュ、ハシドイが白い花をつけ始めるころ、公園内の厚別川の河原では、裸の子どもたちの歓声が、 セミの鳴き声と ともに響きわたります。短い滝野の夏の始まりです。
滝野の夏は、花の季節でもあります。野山には、クルマユリ、チシマアザミ、オオウバユリ、エゾアジサイなどが可憐な花をつけ、 また園路沿いにはタニウツギ、アジサイなどの花も見られます。夏は昆虫も多く、園内ではクワガタ、エゾセミ、カラスアゲハ、 オニヤンマなどいろいろな昆虫が見られます。

滝野の秋

 9月、滝野の緑の中に少しずつ黄色が目立ってきます。ヤチダモのようです。つづいてシラカバも黄色味を 増してきました。
 10月上旬、滝野の山は一段と紅葉がすすみ、そして10月中旬には紅葉は真っ盛りとなります。 ヤマモミジ、ヤマウルシなどの真っ赤な紅葉で、滝野の山はまさに燃えんばかりです。滝野の秋全開です。 公園は、行く秋を惜しむかのように、大勢の行楽客でにぎわいます。ジンギスカンのにおいが、最もおいしく 感じられるのもこの頃かも知れません。 しかし、滝野の秋は、未練も残さず駈足で過ぎ去っていきます。
 10月下旬、木の葉はすっかり落ちて、 滝野は冬枯れの寒々しい姿へと変わります。初雪が舞い、いよいよ長い冬の到来です。

滝野の冬

 11月の雪は、降っては消え、また降っては消えるという繰り返しです。でも12月になると、雪は少しずつ積もり始め、 いつしか公園は白銀の世界に変わります。もう根雪です。
 12月から1月にかけ、雪はさらに降る量を増やして、2メートル近い積雪となります。12月23日、滝野すずらん丘陵公園の 冬期開園(滝野スノーワールド)が始まります。公園では、歩くスキー、チューブソリ滑り、スノーフェスティバルと様々な冬期 レクリエーションが始まり、ソリ遊びのにぎやかな子供の歓声が聞こえます。でも、ちょっと耳を澄ましてください。シジュウカラ、 カケスの鳴き声も 聞こえてきます。雪原には、キタキツネの足跡も見られます。滝野の冬は、とてもにぎやかなのです。

危険な生き物

 園内には、私たちに危害を加える可能性のある生き物がいくつかいます。むやみに園路から外れたり、 草やぶに入り込まないように注意してください。

スズメバチの仲間

ハナバチを襲うスズメバチ

キイロスズメバチやクロスズメバチが飛んでいることがあります。危険を感じたらむやみに動かず、 通りすぎるのをじっと待ちましょう。黒い物を攻撃する性質があるので、白っぽい服装を心掛けましょう。
もし、刺されてしまうと激しい痛みや腫れ、ショック症状が起こることもあります。早急に病院に受診することをお薦めします。

マダニ

マダニ マダニは一度かみついたら離れない

ササヤブに入るとマダニにかみつかれることがあります。
無理に引き剥がすと牙が残ってしまうので、皮膚科に行くことをお薦めします。

ウルシの仲間

かぶれがひどいツタウルシ

園内にはツタウルシやヤマウルシのように、かぶれやすい植物があちこちに生えています。 むやみに植物に触らないようにしましょう。

ウルシの仲間2

ヤマウルシにかぶれる人もいる

その樹液などで、かぶれるウルシですが、肌の弱い人は葉に触れるだけでかぶれてしまう事があります。 十分に注意しましょう。

イラクサの仲間3

エゾイラクサ

イラクサは“かいかいいぐさ”の別名の通り、触ると微細なトゲが刺さってかゆくなります。 夏になるとトゲも落ちてきますが、とにかく触らないことが大事です。

イラクサの仲間2

ムカゴイラクサ

葉や茎に微細なトゲがあり、ビロードのような手触りです。ムカゴは珠芽と書き、養分を蓄えた芽がふくらんだものを言います。

イラクサの仲間3

ムカゴイラクサには夏になるとムカゴができる

花が咲き終わり、ムカゴが落ちて新たなイラクサになります。

キノコ

毒キノコの代表のベニテングダケ

様々なキノコの中には有毒なものもあります。